たまには、登録販売者として、
過去問を解いてみます
今回は、関西広域連合の令和5年の問題前半
[医薬品に共通する特性と基本的な知識]の
問1から問10です
令和5年度 関西広域連合 登録販売者試験問題 令和5年8月27日(日)前半
問1
医薬品に関する記述の正誤について正しい組合せを選ぶ問題に対する回答です
それぞれの選択肢を詳しく検討してみましょう
a 法では、健康被害の発生の可能性の有無にかかわらず、
異物等の混入、変質等がある医薬品を販売してはならない旨を定めている
- これは正しい記述です
法律では、異物混入や変質がある医薬品を販売することは禁止されています
b 一般用医薬品には、添付文書や製品表示に必要な情報が記載されているので、
販売時に専門家は専門用語を分かりやすい表現で伝えるなどの情報提供を行う必要はない
- これは誤りです。一般用医薬品でも、
専門家は消費者に対してわかりやすく説明する責任があります
c 医薬品は、効能効果、用法用量、副作用等の必要な情報が適切に伝達されることを通じて、
購入者等が適切に使用することにより、初めてその役割を十分に発揮するものである
- これは正しい記述です
医薬品の適切な使用には、
必要な情報が消費者に正しく伝達されることが重要です
d 医薬品は、人の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されるなど、
その有用性が認められたものであり、使用に際して保健衛生上のリスクは伴わない
- これは誤りです
医薬品には副作用などのリスクが伴うことがあります
したがって、各記述の正誤は: a. 正 b. 誤 c. 正 d. 誤
正しい組合せは
「1誤正正誤」「2正正誤正」「3正誤正誤」「4誤正誤正」「5正誤正正」
の中で、該当するのは「3正誤正誤」です
したがって、正しい組合せは 3正誤正誤 です
問2
この問題は、各選択肢について正誤を確認しましょう
a 医薬品は、治療量上限を超えると、
効果よりも有害反応が強く発現する「中毒量」となり、
「最小致死量」を経て、「致死量」に至る
- この記述は正しいです
治療量上限を超えた場合、
中毒量に達し、その後さらに高用量で最小致死量、致死量に至ることがあります
b 医薬品は、少量の投与でも長期投与されれば慢性的な毒性が発現する場合がある
- この記述も正しいです
少量でも長期投与により慢性的な毒性が発現する可能性があります
c ヒトを対象とした臨床試験の実施の基準には、国際的に Good Clinical Practice (GCP) が制定されている
- この記述も正しいです
GCPは、臨床試験の実施に関する国際的な基準です
d 医薬品の製造販売後の調査及び試験の実施の基準として、
Good Vigilance Practice (GVP) が制定されている
- この記述は誤りです
医薬品の製造販売後の調査及び試験の実施の基準としては、
Good Post-marketing Study Practice (GPSP)が正しい用語です
GVPは、医薬品の安全監視(ファーマコビジランス)に関する基準です
上記の解説に基づいて、各選択肢の正誤は以下の通りです
- a. 正しい
- b. 正しい
- c. 正しい
- d. 誤り
したがって、正しい組み合わせは 1 正正正誤 です
問3
問題の記述についての正誤を確認し、正しい組合せを選びます
a について: 「特定保健用食品」(トクホ)は、
保健機能成分を含むもので、
その有効性や安全性について国の審査を受けて許可を得る必要があります
したがって、「国への届出が必要である」という表現は正しくありません
正確には「国の許可が必要である」となります
b について: 「栄養機能食品」は、
国が定めた規格基準に適合したものであれば、
健康機能を表示することができます
よって、これは正しい記述です
c について: 「機能性表示食品」は、
事業者の責任で科学的根拠に基づいた機能を表示するもので、
国への届出が必要です
しかし、「疾病に罹患した者の健康維持及び増進に役立つ機能を表示する」との記述は誤りです
機能性表示食品は、疾病の予防や治療を目的としていないため、
「疾病に罹患した者の健康維持及び増進」という表現は不適切です
d について: 一般用医薬品の販売時に、
健康食品の摂取の有無について確認することは重要であり、
必要があれば指導を行うべきというのは正しいです
したがって、正しい組合せは 4 誤正誤正 です
問4
a 世界保健機関(WHO)によれば、セルフメディケーションとは、
「自分自身の健康に責任を持ち、
中程度の身体の不調は自分で手当てすること」とされている
- これは誤りです
WHOの定義によると、セルフメディケーションとは
「自分自身の健康に責任を持ち、軽度の身体の不調は自分で手当てすること」とされている
中程度ではなく、軽度の不調を指しています
b 急速に少子高齢化が進む中、
持続可能な医療制度の構築に向け、
医療費の増加やその国民負担の増大を解決し、
健康寿命を伸ばすことが日本の大きな課題であり、
セルフメディケーションの推進は、その課題を解決する重要な活動のひとつである
- これは正しい記述です
少子高齢化に伴い、医療費の増加や国民負担の増大を解決するために、
セルフメディケーションが推進されています
c 平成29年1月からは、
適切な健康管理の下で医療用医薬品からの代替を進める観点から、
条件を満たした場合にスイッチOTC(Over The Counter)医薬品の購入の対価について、
一定の金額をその年分の総所得金額等から控除するセルフメディケーション税制が導入された
- これは正しい記述です
平成29年1月からセルフメディケーション税制が導入され、
スイッチOTC医薬品の購入代金が所得控除の対象となりました
d セルフメディケーション税制については、
令和4年1月の見直しにより、スイッチOTC医薬品以外にも腰痛や肩こり、
風邪やアレルギーの諸症状に対応する一般用医薬品が税制の対象となっている
- これは正しい記述です
令和4年の改正により、
スイッチOTC医薬品以外の一般用医薬品もセルフメディケーション税制の対象になっています
したがって、aは誤りであり、b、c、dは正しいため、正しい組合せは 4 誤正正正 となります
問5
選択肢のうち、各記述の正誤を検討し、正しい組み合わせを選びます
a 外用薬によって、アレルギーが引き起こされることはない
- これは誤りです
外用薬もアレルギーを引き起こすことがあります
例えば、皮膚に塗布する薬剤に対して接触皮膚炎を引き起こすことがあります
b 医薬品の有効成分だけでなく、薬理作用がない添加物も、アレルギーを引き起こす原因物質となり得る
- これは正しい記述です
医薬品に含まれる添加物(保存料、着色料など)がアレルギーを引き起こすことがあります
c アレルギーと体質的・遺伝的な要素は関連がないため、
近い親族にアレルギー体質の人がいたとしても注意する必要はない
- これは誤りです
アレルギーは遺伝的な要素と関連があります
近い親族にアレルギー体質の人がいる場合、注意が必要です
d 医薬品の中には、鶏卵や牛乳等を原材料として作られているものがあるため、
それらに対するアレルギーがある人では使用を避けなければならない場合もある
- これは正しい記述です
例えば、ワクチンの中には卵由来の成分が含まれているものがあり、
卵アレルギーの人は注意が必要です
したがって、正しい組合せは 4. 誤 正 誤 正 です
問6
この問題に対する正答を選ぶために、各選択肢の正誤を確認していきます
a 医薬品の不適正な使用は、概ね使用する人の誤解や認識不足に起因する ものと、
医薬品を本来の目的以外の意図で使用するものに大別することが できる
- これは正しい記述です
医薬品の不適正な使用には、
誤解や認識不足(例:用法・用量の誤り)や、
乱用(例:レクリエーション目的での使用)が含まれます
b 人体に直接使用されない医薬品であっても、
使用する人の誤解や認識不 足によって、使い方や判断を誤り、副作用につながることがある
- これは正しい記述です
例えば、動物用の医薬品や農薬なども、
人間が誤って使用することで健康被害が生じる可能性があります
c 医薬品の長期連用により精神的な依存がおこり、
使用量が増え、購入する ための経済的な負担が大きくなる例が見られる
- これは正しい記述です
例えば、鎮痛剤や向精神薬などでは、
長期連用による依存性が問題となることがあります
d 医薬品は、その目的とする効果に対して副作用が生じる危険性が最小限 となるよう、
使用する量や使い方が定められている
- これは正しい記述です
医薬品は、安全性と効果を最大化するために、
適切な用量や使用方法が厳密に定められています
したがって、正しい組み合わせは 5: 正正正正 です
問7
適正使用に関する記述の正誤を選ぶ問題で選択肢を見てみましょう
a 一般用医薬品を漫然と続けることで適切な治療の機会を失う可能性があるというのは、
適切な指摘ですので、正しい記述です
b 一般用医薬品を長期連用しても、
指示どおりの使用量であれば医薬品を代謝する器官を傷めることはない、
というのは間違いで、誤りです
c 青少年が身近に入手できる薬物を興味本位で乱用する可能性があるというのは、
現実的な指摘ですので、正しい記述です
d 医薬品が適切に使用されていれば安全かつ有効であるが、
乱用された場合には薬物依存を生じる可能性があるというのは正しいですので、正しい記述です
よって、正しい組合せは 2 正誤正正 です
問8
abcdのそれぞれの記述の正誤を見ていくと、次のようになります
a 医薬品の相互作用が薬理作用をもたらす部位において起こらないとする記述は誤りです
医薬品の相互作用は、薬理学的な作用に影響を与える可能性があります
b 一般的に、かぜ薬やアレルギー用薬などの成分や作用が重複する医薬品の併用は
避けられることがあります これは正しい記述です
c 医療機関で治療を受けている場合、
一般用医薬品を併用しても問題がないかどうかを確認する必要がある これは正しい記述です
d 複数の医薬品を併用した場合、
作用が減弱するだけでなく、
増強される可能性もあります したがって、この記述は誤りです
したがって、正しい組合せは、1 誤正正誤 です
問9
abcdのそれぞれの記述の正誤を見ていくと、次のようになります
a カフェインを含む総合感冒薬とコーヒーを一緒に服用すると、
カフェインの摂取量が増える可能性があります
過剰摂取になる可能性があるので、これは誤りです
b アルコールは医薬品の吸収や代謝に影響を与えることがあります
そのため、これは正しい記述です
c 生薬成分が配合された医薬品とハーブ等の食品を一緒に摂取すると、
医薬品の効き目や副作用を増強する可能性があります
したがって、これは正しい記述です
d 外用薬でも、食品によって医薬品の作用や代謝が影響を受ける可能性があります
これは正しい記述です
したがって、正解は 3 誤正正正 です
問10
abcdのそれぞれの記述の正誤を見ていくと、次のようになります
a 小児の血液脳関門は未発達であるため、
吸収された医薬品の成分が脳に達しやすいので、これは正しい記述です
b 小児の身体は比較的大きいため、
身体の大きさに対して腸が長く、
医薬品の吸収率が相対的に高いので、これは正しい記述です
c 乳児は医薬品の影響を受けやすく、
状態が急変しやすいため、
医師の診療を受けることが優先され、
一般用医薬品の使用は最小限にとどめることが望ましいとされてるので、これは正しい記述です
d 医薬品の販売に従事する専門家が年齢に応じた用法用量が定められていない場合、
成人用の医薬品の量を減らして小児に与えるように保護者に説明する必要があるので、
誤りです
したがって、正解は 3 正正正誤 です
まとめ
今回は、関西広域連合の令和5年の問題前半
[医薬品に共通する特性と基本的な知識]の
問1から問10を解いてみました
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