たまには、登録販売者として、
過去問を解いてみます
今回は、関西広域連合の令和5年の問題前半
[医薬品に共通する特性と基本的な知識]の
問11から問20です
令和5年度 関西広域連合 登録販売者試験問題 令和5年8月27日(日)前半
問11
選択肢全体の解説を含めて説明します
a 「医療用医薬品の添付文書等の記載要領の留意事項」において、
おおよその目安として65歳以上を「高齢者」としている
- これは正しい記述です
多くの医療用医薬品の添付文書では、65歳以上を「高齢者」と定義しています
b 高齢者は、持病(基礎疾患)を抱えていることが多いが、
一般用医薬品の使用によって基礎疾患の症状が悪化することはない
- これは誤りです
高齢者は基礎疾患を抱えていることが多く、
一般用医薬品の使用によって基礎疾患の症状が悪化する可能性があります
薬の相互作用や薬の代謝の変化が影響を与えることがあるため、注意が必要です
c 高齢者は、生理機能の衰えの度合いに個人差が小さいため、
年齢から副作用を生じるリスクがどの程度増大しているか判断することができる
- これは誤りです
高齢者の生理機能の衰えには個人差が大きく、
年齢だけでは副作用のリスクを正確に判断することは難しいです
d 高齢者は、喉の筋肉が衰えて飲食物を飲み込む力が弱まっている場合があり、
内服薬を使用する際に喉に詰まらせやすい
- これは正しい記述です
高齢者は嚥下機能が低下していることがあり、
錠剤やカプセルが喉に詰まりやすいことがあります
したがって、正しい組み合わせは 4 正誤誤正 です
問12
妊婦や授乳婦に対する医薬品の使用に関する記述の正誤を確認しましょう
a 医薬品の種類によっては、
授乳婦が使用した医薬品の成分の一部が乳汁中に移行することが知られており、
母乳を介して乳児が医薬品の成分を摂取することになる場合がある
- これは正しい記述です
授乳婦が医薬品を使用すると、
その成分が乳汁に移行し、
母乳を介して乳児に移行することがあるため注意が必要です
b 多くの一般用医薬品は、
妊婦が使用した場合における胎児への安全性に関する評価は困難とされている
- これは正しい記述です
多くの一般用医薬品については、
妊婦に対する安全性の評価が十分に確立されていないことが多いです
c 便秘薬には、配合成分やその用量によっては、
流産や早産を誘発するおそれがあるものがある
- これは正しい記述です
一部の便秘薬は、成分や用量によっては流産や早産のリスクを伴うことがあります
d ビタミンAは、胎児にとって非常に重要な成分の一つであるため、
妊婦に対して特に妊娠初期(妊娠3か月以内)のビタミンA含有製剤の過剰摂取には留意する必要はない
- これは誤りです
ビタミンAは過剰摂取によって胎児に悪影響を与える可能性があるため、
妊娠初期における過剰摂取には特に注意が必要です
したがって、正しい組み合わせは 1 正正正誤 です
問13
プラセボ効果に関する記述の正誤についての正しい組み合わせになる理由を解説します
a プラセボ効果は、
医薬品を使用したこと自体による楽観的な結果への期待(暗示効果)は関与しないと考えられている
- これは誤りです
プラセボ効果は、
実際には薬効成分がないものを使用した場合でも、
患者が治療を受けているという期待や信念から生じる効果を指します
したがって、楽観的な結果への期待(暗示効果)がプラセボ効果に大いに関与しています
b プラセボ効果によってもたらされる反応や変化は、
望ましいもの(効果)であり、不都合なもの(副作用)はない
- これは誤りです
プラセボ効果によってもたらされる反応や変化は必ずしも望ましいものばかりではありません
プラセボ効果により、望ましい効果(例えば痛みの軽減)もありますが、
時には不都合なもの(副作用のようなもの)も生じることがあります
c プラセボ効果は、主観的な変化だけでなく、
客観的に測定可能な変化として現れることがある
- これは亜正しい記述です
プラセボ効果は主観的な症状の変化だけでなく、
例えば血圧の変化やホルモンレベルの変動など、
客観的に測定可能な生理学的変化として現れることもあります
d 医薬品の使用によってプラセボ効果と思われる反応や変化が現れたときには、
それを目的として使用の継続が推奨される
- これは誤りです
医薬品の使用によってプラセボ効果と思われる反応が現れた場合、
それが一時的に症状を改善したとしても、
医薬品に本来の薬効成分が含まれていない場合や副作用のリスクがある場合には、
その使用を継続することは推奨されません
医薬品は科学的な根拠に基づいて使用されるべきです
したがって、正しい組み合わせは 5 誤誤正誤 です
問14
各選択肢の内容を解説します
a 医薬品の有効成分には、
高温や多湿により品質劣化を起こすものはあるが、
光(紫外線)による品質劣化を起こすものはない
- これは誤りです
医薬品の有効成分には、高温や多湿だけでなく、
光(特に紫外線)によっても品質劣化を起こすものがあります
例えば、光分解されやすい成分は遮光包装が必要です
b 医薬品が保管・陳列される場所については、
清潔性が保たれるとともに、その品質が十分保持される環境となるよう留意する必要がある
- これは正しい記述です
医薬品の保管・陳列場所については、
清潔であり、適切な温度、湿度、光などの条件が保たれることが重要です
これにより、医薬品の品質が維持されます
c 品質が承認等された基準に適合しない医薬品、
その全部又は一部が変質・変敗した物質から成っている医薬品は販売が禁止されている
- これは正しい記述です
医薬品は、承認された品質基準に適合している必要があります
変質・変敗した医薬品は安全性や有効性に問題があるため、販売が禁止されています
d 一般用医薬品は家庭の常備薬として購入されることも多いため、
外箱等に表示されている使用期限から十分な余裕をもって販売することが重要である
- これは正しい記述です
一般用医薬品は家庭で長期間保管されることが多いため、
販売時には使用期限に十分な余裕を持たせることが重要です
これにより、消費者が安全かつ効果的に使用できるようにします
したがって、正しい組み合わせは 3 誤正正正 となります
問15
一般用医薬品に関する記述の正誤を解説します
a 一般用医薬品の役割として、健康の維持・増進があるが、健康状態の自己検査は含まれない
- これは誤りです
一般用医薬品は健康の維持・増進の一部であり、
自己検査用のキットも含まれることがあります
例えば、妊娠検査薬や血糖値測定キットなどが一般用医薬品として販売されています
b 科学的・合理的に効果が期待できるものであれば、生活習慣病の治療も一般用医薬品の役割として含まれる
- これも誤りです
生活習慣病(例えば高血圧、糖尿病など)の治療は医師の診断と処方が必要であり、
一般用医薬品では対応できません
一般用医薬品は一時的な症状の緩和や軽度の病気に対処するものであり、
慢性疾患の治療には向きません
c 乳幼児や妊婦等では、通常の成人の場合に比べ、一般用医薬品で対処可能な範囲は限られる
- これは正しい記述です
乳幼児や妊婦は、身体の状態が特殊であるため、
安全性が確立されていない薬も多く、
使用できる一般用医薬品が限られます
使用する場合でも、慎重な検討が必要です
d 一般用医薬品にも使用すればドーピングに該当する成分を含んだものがあるため、
スポーツ競技者から相談があった場合は、専門知識を有する薬剤師などへの確認が必要である
- これも正しい記述です
一般用医薬品の中には、
スポーツ競技で禁止されている成分が含まれていることがあり、
競技者が使用する場合は専門的な確認が必要です
したがって、正しい組み合わせは 5 誤誤正正 です
問16
この問題に対する正答を選ぶために、各選択肢の正誤を確認していきます
a 一般用医薬品では、情報提供を受けた当人のみが医薬品を使用するとして、
販売時のコミュニケーションを考える
- これは誤りです
一般用医薬品は購入者が他人のために購入することもあり、
その場合は購入者が使用者に正確な情報を伝える必要があるため、
情報提供時には使用者が他の人である可能性も考慮する必要があります
b 一般用医薬品の購入者は、
使用者の体質や症状等を考慮して製品を事前に調べて選択しているのでなく、
宣伝広告や販売価格等に基づき漠然と製品を選択していることがあることにも留意しなければならない
- これは正しい記述です
多くの購入者は宣伝や価格に影響されて漠然と選択することがあるため、
販売者はその点を考慮して適切な情報提供を行う必要があります
c 登録販売者は、生活者のセルフメディケーションに対して、
第二類医薬品及び第三類医薬品の販売、情報提供等を担う観点から、支援する姿勢が基本となる
- これは正しい記述です
登録販売者は生活者のセルフメディケーションを支援する立場にあり、
情報提供や相談に応じる姿勢が基本です
d 登録販売者からの情報提供は、説明内容が購入者等にどう理解されたかなどの実情を把握しながら行う必要はなく、専門用語を分かりやすい平易な表現で説明するだけでよい
- これは誤りです
登録販売者は購入者がどのように理解したかを確認しながら情報提供を行う必要があります
理解が不十分だと誤用や事故の原因になるため、実情を把握することが重要です
したがって、正しい組み合わせは 2 誤正正誤 です
問17
医薬品の販売に従事する専門家が、
一般用医薬品の購入者から確認しておくべき基本的なポイントについて考えます
a 何のためにその医薬品を購入しようとしているか(購入者等のニーズ、購入の動機)
- これは正しい記述です
購入者が何のために医薬品を必要としているのかを理解することで、
その医薬品が適切であるかどうかを判断する手助けになります
例えば、風邪の症状に対して鎮痛剤を求めている場合、
その鎮痛剤が適切かどうかを確認する必要があります
b その医薬品を使用する人が医療機関で治療を受けていないか
- これは正しい記述です
医薬品の安全性を確保するために重要です
既に医療機関で治療を受けている場合、
重複した治療や薬物相互作用のリスクがあるため、
この確認は欠かせません
c その医薬品を使用する人がアレルギーや医薬品による副作用等の経験があるか
- これは正しい記述です
アレルギー反応や過去の副作用の経験があるかどうかを確認することで、
再び同じ問題が発生するリスクを減らすことができます
d その医薬品がすぐに使用される状況にあるか(その医薬品によって対処しようとする症状等が現にあるか)
- これは正しい記述です
医薬品が本当に必要な状況にあるかどうかを確認することで、
不必要な薬の使用を避けることができます
例えば、症状がまだ現れていないのに予防的に使用する場合、
それが適切であるかを判断するために確認が必要です
したがって各項目が全て「正」となる組み合わせは、5 正正正正 です
問18
各選択肢を検討すると以下のようになります
- a.O157感染 b.医薬品 c.医薬品の安全性・有効性 d.薬害肝炎
- O157感染は医薬品による被害ではないため不適切
- a.O157感染 b.毒物及び劇物 c.医療の安全 d.薬害肝炎
- 同様に、O157感染は医薬品による被害ではないため不適切
- a.HIV感染 b.医薬品 c.医薬品の安全性・有効性 d.薬害エイズ
- HIV感染は実際に薬害エイズの問題であり、医薬品の安全性・有効性を確保するという文脈に適している
- a.HIV感染 b.医薬品 c.医療の安全 d.薬害肝炎
- 薬害エイズ事件に関してHIV感染は適切だが、dの薬害肝炎は不適切
- a.HIV感染 b.毒物及び劇物 c.医薬品の安全性・有効性 d.薬害エイズ
- bの毒物及び劇物は医薬品とは異なるため不適切
したがって、碑文の文脈に最も合致する正答は選択肢3で、
- aにはHIV感染が入り
- bには医薬品が入り
- cには医薬品の安全性・有効性が入り
- dには薬害エイズが入ります
よって、正しい組合せは 選択肢3a.HIV感染 b.医薬品 c.医薬品の安全性・有効性 d.薬害エイズ です
問19
クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)及びCJD訴訟に関する記述の正誤について、
選択肢の正誤を確認し、正しい組合せを一つ選びま
a CJD訴訟とは、
脳外科手術等に用いられていたウシ原料由来の
人工硬膜を介してCJDに罹患したことに対する損害賠償訴訟である
- これは誤りです
CJD訴訟は、ヒト由来の
硬膜移植が原因でCJDに罹患した患者が起こした損害賠償訴訟です
ウシ原料由来ではありません
b CJDは、細菌の一種であるプリオンが原因とされている
- これは誤りです
プリオンは細菌ではなく、
異常なタンパク質です
CJDはこのプリオンが原因とされています
c 本訴訟では、輸入販売業者及び製造業者が被告として提訴されたが、国は提訴されなかった
- これは誤りです
CJD訴訟では、輸入販売業者、
製造業者だけでなく、国も被告として提訴されました
d 本訴訟を一因として、生物由来製品による感染等被害救済制度が創設された
- これは正しい記述です
CJD訴訟を一因として、
医療事故や医薬品による被害者救済のための制度が設けられました
したがって、正しい解答は 4 誤誤誤正 です
問20
abcdのそれぞれの記述の正誤を見ていくと、次のようになります
解説に従うと、正しい組み合わせは「誤正正正」であり、正しい選択肢は以下の通りです:
a C型肝炎訴訟とは、ウイルスに汚染された注射器(注射針や注射筒)が連 続使用されたことが原因で、
C型肝炎ウイルスに感染したことに対する損 害賠償訴訟である
- これは誤りです
C型肝炎訴訟は、
注射器の連続使用が原因でC型肝炎ウイルスに感染した損害賠償訴訟ではありません
b 国及び製薬企業を被告として、
複数の地裁で提訴されたが、
判決は、国及 び製薬企業が責任を負うべき期間等について判断が分かれていた
- これは正しい記述です
複数の地裁で提訴された際に、判決が分かれていたことが正しいです
c C型肝炎ウイルス感染者の早期・一律救済の要請にこたえるべく、
2008年 1月に議員立法による特別措置法が制定、施行された
- これは正しい記述です
2008年1月に特別措置法が制定され、早期・一律救済の要請に応えました
d 「薬害再発防止のための医薬品行政等の見直しについて(最終提言)」を 受け、医師、薬剤師、法律家、薬害被害者などの委員により構成される医薬 品等行政評価・監視委員会が設置された
- これは正しい記述です
医薬品等行政評価・監視委員会が設置されたことが正しいです
したがって、正解は 4 誤正正正 です
まとめ
今回は、関西広域連合の令和5年の問題前半
[医薬品に共通する特性と基本的な知識]の
問11から問20を解いてみました
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